相良という名前

サガラと読みます。

—相 木と目を合わせた会意文字

目が木に向うさまから、よく見て調べるという意味があります。同様に向かい合ってることから”互いに””助ける”などの意味

—良 長い袋の上下に流し口をつけて、穀物を入れ、その量を測る風箱留実という器の形

風箱留実は、穀物の良否を選り分けて良いものを選び出す道具

—衣 衣服のえりもとの象徴から”ころも”を意味する”衣”

母の旧姓で、今も喜界島には多くの相良という名字の親戚がたくさん住んでいます。

母のような衣をつくるのには長い物語がありますが、

母は人生のなかで一番大きな存在であり、わたしの尊敬する人物です。

ある時をきっかけにわたしの志は大きく変わり、痛みや鍛錬に耐えられる精神と共に、同じだけ弱さを兼ね備えるようになりました。

とにかく走り、ものを作り続けてきたものでわたしには大きなブレがありました。

ふと大きくそれた道を帰ってきたとき、”相良”に出会えました。

腑に落ちるとき、それはもとよりそこで待っていたのだと思いました。

遠くにいき、帰ってきた。

随分遠回りをしました。

何をつくるにも、今は、母だったらきっとこうするだろうと想像しながら。

相良で新たな始まりを迎えたとき、そっと誰かがいるような気がしています。

一人でつくると言いながら、きっとそこには見えない、聞こえないなにかがあると信じて。

相良での活動を見守っていただけると嬉しいです。

Narumi Uetani