家をつくる

この冬、私達夫婦は家を買いました。

淡路日本瓦のとても古く、広い家です。

亀山に引っ越してくる前、神奈川に住んでいました。

結婚してからもしばらく離れて暮らし、

今年に越してきたのです。

日々家探しをしていた私達、諦めかけていたとき、ふと探そうと思い検索していると

見たことのない家が上がっていて、すぐに旦那さんに見に行ってもらいました。

離れた私は旦那さんと、同行してくれた大工であり設計士の山ちゃんの勘と意見を頼りに、

一度も見ていない大きすぎる買い物、”家”を電話で即決しました。

今思えば、写真で見たときには決まっていたのかもしれません。

私も旦那さんも、自営なので嗅覚や勘をとても大事にしているように思えます。

なにか得を積んだのか、運が良すぎるふたり。

衣をつくる私は食ももちろん、ケのご飯

お母さんの味、豪華じゃないけど、お米やお味噌汁が美味しい

そんなご飯を目標に作っています。

ここでも私の源は、母です。

あとは、住まい。

いま住んでるお家も日本家屋の古いお家

寒いのはもちろん、よく頭をぶつけるし、あちこち傷んでる

でも大好きな家。

家族が帰りたくなる家、みんなが帰ってこれる家、温かい家

を目指し、家を自分たちで直しつくることに決めました。

なんでも自分でつくってみたい私。

もう、少しづつ進んでる

みんなやったほうが良いです。

できないことなんてない、生きるに目を向けたい。

なんでもじぶんでやってみると、身体で感じる、手を使う

生を感じます。

生きるってこれなんだとひしひしと感じています。

”衣食住”

私達が生きるために必要なこと。

だけど、

あなた本当に生きてる?

人にもグラデーションがあって、生きることにもあるように思えます。

あ、私今まで生きてなかった。

衣食住を見つめ直したとき、自らの足で地を踏みしめる感覚を獲得しました。

これは本当に簡単なことじゃないけれど、感じた瞬間に引き返せなくなりました。

お金がなくなり草木染を始めたとき、世界の色を知りました。

本当に私は無知でした。

こんなにも広く深い海に私は潜り始めてしまいました。

とても暗く、未知の領域に私は日々愉しく生きています。

この間は天井を塗りました。

木の木目には成長の記録があり、

夏は早く成長し、冬はゆっくり成長するので木目が詰まってると教えてくれました。

そんな話をきいてると、人間の木目”人目?”を見れたなら、

あのひ食べたものがこの骨をつくり、あの会話でわたしの価値観が生まれる

とか、みれたりして。

いいや、見えなくていい。

でもいま着る衣、食べるもの、住まいは

いつかの自分をつくってる。

そう、こころの隅っこに置いておいてね。

*

Narumi Uetani